中小企業も無関係じゃない!新リース会計基準がもたらす変化と準備

株式会社プロシップ
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国際的な会計基準の動向を受け、日本でも新たなリース会計基準への移行が迫っています。この変更は、大企業だけでなく、実は多くの中小企業にとっても決して無関係ではありません。本記事では、「オフバランスからオンバランスへ」という旧基準との決定的な違いが、貸借対照表や損益計算書、キャッシュフロー計算書にどのような影響をもたらすのかを具体的に解説します。また、中小企業が適用免除となるケースや、資金調達・金融機関からの評価への影響、そして今から始めるべき具体的な準備ステップまで、新リース会計基準の全容と中小企業が取るべき対応を網羅的にご紹介します。この記事を読めば、迫りくる変化を正しく理解し、適切な対策を講じるための道筋が明確になります。

目次

新リース会計基準とは何か

新リース会計基準の概要と変更点 従来の会計基準 ファイナンスリース オンバランス処理 オペレーティングリース オフバランス処理 新リース会計基準 原則として すべてのリース取引を オンバランス処理 (貸借対照表に計上) ■ 新基準のポイント 目的・背景: 情報開示の透明性向上、IFRS(国際会計基準)との調和 適用時期 : 2024年4月1日以後開始する事業年度から 対象企業 : 原則すべての企業(中小企業も含む ※簡便措置あり)

2024年4月1日以後開始する事業年度から適用が始まる「新リース会計基準」は、企業がリース取引を会計処理する方法に大きな変更をもたらします。 これは、国際会計基準(IFRS)におけるリース会計基準の改正(IFRS第16号)に合わせ、日本においても企業会計基準委員会(ASBJ)が企業会計基準第13号「リース取引に関する会計基準」を改正したことによるものです。 従来のリース会計では、リース取引の内容によって「ファイナンスリース」と「オペレーティングリース」に分類され、特にオペレーティングリースは貸借対照表に計上されないオフバランス処理が認められていました。 しかし、新基準では、原則としてすべてのリース取引をオンバランス処理することが求められ、企業の財務諸表に大きな影響を与えることになります。 この変更は、大企業だけでなく、多くの中小企業にとっても無関係ではありません。

新基準の目的と適用される背景

新リース会計基準が導入される主な目的は、投資家への情報開示の透明性を高め、企業間の財務比較可能性を向上させることにあります。 これまでの会計処理では、実質的に資産と負債であるにもかかわらず、オペレーティングリースとして処理されることで、貸借対照表に計上されないリース契約が多く存在していました。 これにより、企業の真の負債水準や資産規模が財務諸表上見えにくくなり、投資家が企業の財務状況を正確に把握することが難しいという問題がありました。

国際的な背景としては、2019年1月1日から国際会計基準(IFRS)においてIFRS第16号「リース」が適用され、リース取引のほとんどをオンバランス処理する義務が課せられました。 この国際的な動向に合わせ、日本基準においても財務報告の実態をより適切に反映させるため、そして国際的な会計基準との調和を図るために、今回の新リース会計基準の導入が決定されました。 これにより、リース取引の実態が財務諸表に明確に表示され、企業の財務レバレッジや資産利用状況がより正確に把握できるようになります。

いつから適用される?新リース会計基準の対象企業

新リース会計基準は、原則として2024年4月1日以後開始する事業年度から適用されます。 例えば、3月決算の企業であれば2025年3月期から、12月決算の企業であれば2024年12月期から適用が開始されることになります。 ただし、特定の要件を満たす場合には、これより早期に適用することも可能です。

この新基準の対象となるのは、原則としてすべての企業です。 具体的には、上場企業や大企業はもちろんのこと、中小企業も例外ではありません。 しかし、中小企業においては、その規模や重要性に応じて、特定の適用免除や簡便的な会計処理が認められるケースがあります。 これは、中小企業の会計処理の負担を軽減し、実務への影響を考慮した措置です。 詳細については、次の章以降で詳しく解説しますが、まずは自社が新基準の適用対象となることを認識し、準備を進めることが重要です。

何が変わる?旧基準との決定的な違い

新リース会計基準による変化:オフバランスからオンバランスへ 旧基準 (オペレーティング) BSに計上されない オフバランス 新基準 すべてのリース契約をBS計上 オンバランス 財務諸表(BS・PL・CF)への具体的な影響 貸借対照表 (BS) 資産の部:「使用権資産」を計上 ➔ 資産総額が増加 負債の部:「リース負債」を計上 ➔ 負債総額が増加 ※自己資本比率の低下、財務レバレッジの上昇 損益計算書 (PL) 費用計上:賃借料から「減価償却費」「利息費用」へ分割 費用パターン:リース初期に大きく、期間経過で減少 ※リース初期の営業利益減少、EBITDAは改善傾向 キャッシュフロー (CF) 元本返済部分:「財務活動CF」として計上 利息支払部分:「営業活動CF」または「財務活動CF」 ※営業活動CFは増加傾向、財務活動CFは減少傾向

「新リース会計基準」は、従来のリース会計の考え方を根本から変えるものです。特に、リース契約の会計処理が「オフバランス」から「オンバランス」へと移行する点が最も大きな変更点と言えるでしょう。この変化は、企業の財務諸表に広範な影響を及ぼし、経営判断や資金調達にも影響を与える可能性があります。

オフバランスからオンバランスへ リース資産・負債の計上

これまでの日本では、オペレーティング・リース取引(賃貸借処理)の場合、リース物件は企業の貸借対照表(BS)に資産としても負債としても計上されませんでした。これを「オフバランス」と呼びます。企業はリース契約によって設備を使用しているにもかかわらず、その権利と義務が財務諸表に反映されない状態でした。

しかし、新リース会計基準では、原則としてすべてのリース契約が「ファイナンス・リース取引」と同様に処理されることになります。これにより、リース物件を使用する権利を「使用権資産」として資産の部に、将来のリース料支払い義務を「リース負債」として負債の部に、それぞれ貸借対照表へ計上することが求められます。この状態を「オンバランス」と呼びます。

この変更により、企業の真の財政状態や負債状況がより透明性高く開示されることになります。これまでオフバランスだったリース契約が貸借対照表に計上されることで、企業の資産総額と負債総額が増加し、結果として自己資本比率などの財務指標に影響を与えることになります。

財務諸表への具体的な影響

リース会計基準の変更は、貸借対照表(BS)だけでなく、損益計算書(PL)やキャッシュフロー計算書(CF)にも具体的な影響を及ぼします。それぞれの財務諸表における変化を詳しく見ていきましょう。

貸借対照表(BS)への影響

新リース会計基準では、リース契約がオンバランス化されることで、貸借対照表の構成が大きく変わります。

  • 資産の部:「使用権資産」という新たな固定資産が計上されます。これは、リース物件を使用する権利を表す資産であり、減価償却の対象となります。結果として、企業の資産総額が増加します。
  • 負債の部:「リース負債」という新たな負債が計上されます。これは、将来のリース料支払い義務を表す負債であり、支払い期限に応じて流動負債と固定負債に区分されます。結果として、企業の負債総額が増加します。

これらの変化により、企業の自己資本比率は低下する傾向にあり、財務レバレッジ(負債の割合)は高まることになります。これは、特に借入依存度の高い企業や、多くのリース契約を抱える企業にとって、重要な財務指標の変化となります。

項目 旧リース会計基準(オペレーティング・リース) 新リース会計基準
資産計上 原則として計上しない 「使用権資産」として計上
負債計上 原則として計上しない 「リース負債」として計上
資産総額 変化なし 増加
負債総額 変化なし 増加
自己資本比率 変化なし 低下する可能性

損益計算書(PL)への影響

損益計算書においても、費用の計上方法が大きく変わります。

  • 旧基準(オペレーティング・リース):リース料は「賃借料」などの費用として、定額で計上されていました。
  • 新基準:リース契約は、「使用権資産の減価償却費」と「リース負債に係る利息費用」の2つの費用として計上されます。

この変更により、リース開始当初は、減価償却費と利息費用の合計額が旧基準のリース料よりも大きくなる傾向があります。特に、利息費用はリース負債の残高に応じて減少していくため、リース期間の初期には費用が大きく計上され、期間が経過するにつれて費用が減少していくという、旧基準とは異なる費用認識パターンとなります。結果として、リース開始当初の営業利益や税引前利益が減少する可能性があります。

また、減価償却費と利息費用が別々に計上されるため、EBITDA(利払い前・税引前・減価償却費前利益)は、旧基準と比較して改善する傾向にあります。これは、減価償却費と利息費用がEBITDAの計算から除外されるためです。

項目 旧リース会計基準(オペレーティング・リース) 新リース会計基準
費用計上 「賃借料」などとして定額計上 「減価償却費」と「利息費用」に分割計上
費用認識パターン リース期間を通じて定額 リース初期に大きく、期間経過で減少
営業利益・税引前利益 変化なし リース初期に減少する可能性
EBITDA 変化なし 改善する可能性

キャッシュフロー計算書(CF)への影響

キャッシュフロー計算書においても、リース料の支払区分が変更されます。

  • 旧基準(オペレーティング・リース):リース料の支払いは、原則として「営業活動によるキャッシュフロー」として計上されていました。
  • 新基準:リース料の支払いは、「リース負債の元本返済部分」と「利息支払部分」に区分されます。
    • 元本返済部分:「財務活動によるキャッシュフロー」として計上されます。
    • 利息支払部分:日本基準では、「営業活動によるキャッシュフロー」または「財務活動によるキャッシュフロー」のいずれかを選択適用することが可能です。

この変更により、営業活動によるキャッシュフローは増加し、財務活動によるキャッシュフローは減少する傾向にあります。特に、営業キャッシュフローの改善は、企業の収益性を評価する上でポジティブな要素として捉えられる可能性がありますが、その分、財務キャッシュフローが悪化することに留意が必要です。

項目 旧リース会計基準(オペレーティング・リース) 新リース会計基準
リース料支払い区分 営業活動によるキャッシュフロー 元本返済:財務活動CF、利息支払:営業活動CFまたは財務活動CF
営業活動CF リース料支払い分が減少 増加する可能性
財務活動CF 変化なし 減少する可能性

中小企業が知るべき新リース会計基準のポイント

中小企業が知るべき新リース会計基準のポイント 適用免除の特例 ■ 適用条件 ・中小企業会計基準等の  適用で必須ではない ■ 会計処理 ・賃貸借処理を継続可  (オフバランス処理) ■ メリット ・BSへの計上不要 ・経理負担を軽減 実務への影響 ■ 管理体制 ・リース契約の管理強化 ・システム化の検討 ■ 会計処理の変更 ・使用権資産・負債計上 ・減価償却費の計上 ・支払利息の認識 ■ 課題 ・経理業務の負担増加 財務・評価への影響 ■ BS(貸借対照表) ・総資産・総負債の増加 ・自己資本比率の低下 ・有利子負債の増加 ■ PL(損益計算書) ・初期の費用負担増 ■ 外部評価 ・金融機関への  適切な説明が必要

中小企業が適用免除になるケースとは

「新リース会計基準」と聞くと、すべての中小企業が新たな会計処理に移行しなければならないと誤解されがちですが、必ずしもそうではありません。日本における多くの中小企業は、上場企業に適用される「金融商品に関する会計基準」や「リース会計基準」の適用が強制されていません。

具体的には、「中小企業会計基準」や「中小企業会計指針」を適用している企業であれば、新リース会計基準の適用は必須ではないケースが多いです。これらの基準では、所有権移転外ファイナンス・リース取引について、賃貸借処理(オフバランス処理)を継続することが認められています。

この特例が適用できるのは、主に以下の条件を満たす中小企業です。

  • 金融商品取引法の適用を受けない非上場企業
  • 会計監査人設置会社ではない企業
  • IFRS(国際財務報告基準)や米国会計基準を適用していない企業

ただし、取引実態としてファイナンス・リースに該当する契約であっても、上記の条件を満たし、かつ、会計処理について簡便な方法を選択する場合は、従来の賃貸借取引と同様に、リース料を支払費用として処理することが可能です。これにより、貸借対照表にリース資産やリース負債を計上する必要がなくなるため、中小企業の経理実務の負担を軽減することができます。

しかし、将来的な上場やM&Aなどを視野に入れている企業、あるいは金融機関からの評価を重視したい企業は、自主的に新リース会計基準に準拠した会計処理を選択することも可能です。自社の状況と将来の計画を踏まえ、最適な会計処理方法を検討することが重要です。

リース会計処理の変更による実務への影響

中小企業が新リース会計基準を適用する場合、または適用免除の特例を選択しない場合には、実務においていくつかの大きな変化が生じます。

まず、リース契約の管理体制の強化が求められます。これまで賃貸借処理を行っていたリース契約についても、契約内容(リース期間、リース料、残存価額など)を詳細に把握し、そのすべてを対象としてリース資産とリース負債を計上する必要があります。これには、契約書の洗い出し、データ入力、管理台帳の整備といった作業が発生します。

次に、具体的な会計処理の変更です。新基準では、原則としてすべてのリース契約(短期リースや少額リースを除く)を貸借対照表に計上するため、以下の処理が必要になります。

  • リース開始時に使用権資産とリース負債を認識し、計上する。
  • リース使用権資産に対して、減価償却費を計上する。
  • リース負債に対して、支払利息を認識し、計上する。
  • リース料の支払いを、リース負債の返済と利息の支払いに区分して処理する。

これらの処理は、従来の賃貸借処理に比べて複雑であり、経理担当者の業務負担が増加する可能性があります。特に、複数のリース契約を抱えている企業では、手作業での処理は非効率的であり、ヒューマンエラーのリスクも高まります。そのため、リース管理機能を持つ会計システムへの移行や、リース管理専門のシステム導入の検討が必要となるでしょう。

また、会計システムだけでなく、社内の承認フローや情報共有の仕組みも見直す必要があります。リース契約の締結段階から、会計処理に必要な情報を経理部門へ適切に連携できる体制を構築することが、スムーズな移行には不可欠です。

資金調達や金融機関からの評価への影響

新リース会計基準の適用により、中小企業の財務諸表は大きく変化します。この変化は、資金調達や金融機関からの評価に影響を及ぼす可能性があります。

主な影響は以下の通りです。

貸借対照表(BS)への影響:

  • リース使用権資産が計上されることで、総資産が増加します。
  • リース負債が計上されることで、総負債が増加します。
  • 結果として、自己資本比率が低下する可能性があります。
  • 有利子負債(借入金)にリース負債が加わるため、有利子負債総額が増加します。

損益計算書(PL)への影響:

  • 従来のリース料が、減価償却費と支払利息に分解されて計上されます。
  • リース期間の初期には、支払利息が大きく計上されるため、費用が旧基準よりも高くなる傾向があります。

これらの変化は、金融機関が融資審査の際に重視する財務指標に影響を与えます。特に、自己資本比率の低下や有利子負債の増加は、企業の財務健全性を示す指標を悪化させるように見えることがあります。

財務指標 旧リース会計基準(賃貸借処理) 新リース会計基準(原則処理) 影響
総資産 リース資産は計上されない リース使用権資産が計上され増加 増加
総負債 リース負債は計上されない リース負債が計上され増加 増加
自己資本比率 影響なし(高めに推移) 総資産・総負債の増加により低下の可能性 低下
有利子負債 リース債務は含まれない リース負債が含まれ増加 増加
D/Eレシオ(負債資本倍率) 低めに推移 負債の増加により悪化の可能性 悪化
営業キャッシュフロー リース料は営業費用として計上 リース負債の元本返済部分は財務活動CFに計上され改善の可能性 改善
財務キャッシュフロー リース料の元本返済部分は含まれない リース負債の元本返済部分が含まれ悪化の可能性 悪化

しかし、金融機関も新リース会計基準の趣旨を理解しており、単に数字上の変化だけで評価を下すわけではありません。実態としての企業の収益力や返済能力、事業の安定性などを総合的に判断します。そのため、新基準適用後も、金融機関に対しては、リース取引の内容や財務諸表の変化について適切に説明できる準備をしておくことが重要です。

また、企業価値評価においても、リース負債が有利子負債として認識されることで、EV/EBITDAなどの評価指標に影響を与える可能性があります。M&Aを検討している企業は、これらの影響も考慮に入れる必要があります。

新リース会計基準への準備と対応ステップ

現状のリース契約の洗い出しと影響分析

新リース会計基準への対応は、まず自社が締結しているすべてのリース契約を正確に把握することから始まります。契約書を一つ一つ確認し、新基準の適用対象となるリース契約を特定することが重要です。

具体的には、以下の項目について洗い出しを行い、それぞれの契約が新基準によってどのように影響を受けるかを分析します。

確認項目 留意点と影響
リース開始日 新基準の適用開始日(中小企業の場合は適用免除要件も考慮)より前に締結された契約か、後に締結された契約かを確認します。
リース期間 契約期間が短期(12ヶ月以内)か、長期かを確認します。短期リースは適用免除の対象となる場合があります。
リース料の総額 リース料の総額が少額(5,000米ドル相当額以下)であるかを確認します。少額リースも適用免除の対象となる場合があります。
残価保証の有無 残価保証が付されている場合、その金額がリース負債の算定に影響を与えます。
購入オプションの有無 購入オプションが付されている場合、その行使の可能性を評価し、リース期間の算定に影響を与える可能性があります。
解約不能期間 契約の解約不能期間を明確にし、リース期間の算定に反映させます。
リース料の支払条件 固定リース料だけでなく、変動リース料やインセンティブの有無も確認し、リース負債の算定に含めるべき要素を特定します。

これらの情報を基に、各リース契約が新基準適用によって貸借対照表(BS)に計上されるリース資産とリース負債の金額を試算します。この試算を通じて、自社の財務諸表にどの程度のインパクトがあるかを具体的に把握し、今後の対応方針を検討する上で不可欠な情報となります。

会計システムの見直しとプロシップなどの活用

新リース会計基準の導入は、リース契約のオンバランス化に伴い、会計処理の複雑化を招きます。そのため、既存の会計システムが新基準に対応できるかどうかの見直しが不可欠です。

具体的には、以下の点を検討する必要があります。

  • 既存システムの改修・アップデート:現在使用している会計システムが新リース会計基準の計算ロジックや仕訳に対応可能か、ベンダーに確認します。必要に応じてアップデートや改修を検討します。
  • リース会計専用システムの導入:リース契約数が多く、複雑な処理が求められる企業では、リース会計に特化した専用システムの導入が有効な選択肢となります。日本国内では、プロシップ(Proship)をはじめ、SuperStream-NX、奉行シリーズなどの会計システムがリース会計機能を提供しており、これらの活用を検討することで、リース資産・負債の計上、減価償却費、支払利息の計算などを効率的かつ正確に行うことができます。
  • データ連携の確保:リース契約管理システムや固定資産管理システムなど、関連システムとのデータ連携がスムーズに行えるかを確認し、手作業によるミスを削減し、業務効率を向上させることが重要です。

システムの選定にあたっては、自社のリース契約の規模、複雑性、既存システムとの親和性、そして予算を総合的に考慮し、最適なソリューションを選ぶことが求められます。システムの導入や改修には一定の時間とコストがかかるため、早期に検討を開始し、計画的に進めることが成功の鍵となります。

社内体制の構築と従業員への周知

新リース会計基準への円滑な移行と継続的な運用を成功させるためには、強固な社内体制の構築と、関係する従業員への適切な周知・教育が不可欠です。

以下のステップで準備を進めましょう。

  • 担当部署・担当者の明確化:リース契約の管理、会計処理、システム運用など、新基準に関する業務をどの部署が担当し、誰が責任を持つのかを明確にします。経理部門だけでなく、営業部門や総務部門など、リース契約に関わるすべての部署との連携体制を構築します。
  • 社内ルールの策定:リース契約の申請・承認プロセス、契約情報の入力・管理方法、会計処理のフローなど、新基準に対応した社内ルールや運用マニュアルを策定します。これにより、属人化を防ぎ、常に正確な処理が行われるようにします。
  • 従業員への研修と情報共有:新リース会計基準の概要、自社への影響、具体的な業務フローの変更点などについて、関係する従業員に対して研修を実施します。特に、リース契約の締結に関わる営業担当者や総務担当者には、新基準を理解した上で契約内容を検討するよう促す必要があります。定期的な情報共有の場を設け、疑問点の解消や知識のアップデートを継続的に行います。
  • 内部統制の強化:新基準導入に伴い、リース資産・負債の計上や評価に関する内部統制を強化します。契約情報の正確性、会計処理の適切性、システムの運用状況などを定期的にチェックし、誤りや不正が発生しないような仕組みを構築します。

これらの取り組みを通じて、組織全体で新リース会計基準への理解を深め、一貫性のある対応ができるよう準備を進めることが、基準適用後の混乱を避け、円滑な事業運営を継続するための重要な要素となります。

まとめ

新リース会計基準は、大企業だけでなく中小企業にとっても決して無関係ではない重要な会計基準の変更です。この変化は、企業の財務状況をより正確に反映させることを目的としており、特にこれまでオフバランス処理されてきたリース契約がオンバランス化されることで、貸借対照表にリース資産とリース負債が計上され、企業の財務状況がより明確に示されるようになります。

適用免除のケースもありますが、多くの企業にとって実務上の変更は避けられません。これにより、企業の資金調達や金融機関からの評価にも影響を及ぼす可能性があるため、現状のリース契約の洗い出し、会計システムの整備、そして社内体制の構築といった準備を早期に進めることが不可欠です。専門家や会計ソフトベンダー(プロシップなど)のサポートも積極的に活用し、適切な準備を進めることが、新基準へのスムーズな移行と、将来的な企業価値向上への第一歩となるでしょう。

※記事内容は実際の内容と異なる場合があります。必ず事前にご確認をお願いします

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